津別峠の雲海

地平線まで広がる大雲海

雲海 / 津別峠 / 日の出

日本最大の大雲海

日本一という表現がちょっと大げさかな…と思いましたが心がそう書かせました。

雲海発生状況によりますが、最大の時にはオホーツク海のある斜里町知床方面から太平洋側の根室、釧路方面まで広がる大雲海が見られるときがあります。
斜里岳などの標高がある山頂のみを残して完全に雲海に沈むので、まるでオホーツク海と太平洋と繋がった海の中に居る錯覚すら感じられます。

そのあまりのスケールの大きさと、圧倒する美しさを前にカメラの撮影者は果敢に挑戦し、観光客はただただ呆然とその美しさに見とれスマートフォン片手に記念撮影をしています。

リバースタイプのハーフNDの手前にカラー系のハーフフィルターを重ねて撮影しています。

地球の丸みを感じる

標高947mの津別峠からの眺めは、遠くの地平線まで見ることができます。
肉眼でも地平線の端から端まで見渡すと、地球の丸みを感じられます。

日の出が最も美しい瞬間

雲海の最も美しい瞬間は、日の出の時です。

太陽の光は、雲海を輝かせまた強い陰を生むのでより一層、雲海の持つ美しさを私たちに見せてくれます。

もちろん、日の出の時も美しいですがここ津別峠からの雲海の舞台はすでに夜中から始まっています。
もし時間と体力があれば、午前2時頃から星空と雲海、そして日の出とすべて見ることにより雲海の物語が完結し、より強い感動を味わえるはずです。



津別峠 雲海を予想してみよう

6月、7月、8月と津別峠からの雲海が見られる確率は50%を超えると言われています。意外と高い数値ですが、せっかく行くなら雲海が見られる確率 がより高いときに訪れたいですよね。そこで、経験上から雲海が発生する確率、気象条件を予想してより失敗の少ない旅行を楽しむためのツールに役立って頂け ればと思い、書かせて頂きます。

津別峠の雲海

津別峠展望台から見られる雲海 はざっくりと、太平洋沿岸で発生した海霧と呼ばれる霧が風の流れで陸地に上がり、峠の標高の高い山にぶつかることで雲海が発生します。十勝や釧路、根室は標高の高い 山々に囲まれた地形から、海霧が山々にぶつかり平野部に滞りやすい地形から地平線まで広がる大雲海を見られるローケーションが備わった地域です。

海からやってくる雲海の標高は800m~1100mほどとわりと高い空を浮かんでいるので、摩周湖第一展望だと雲の中に入ってしまいますが、摩周湖第三展望台だと雲の上に出て雲海が見られる傾向なので、標高1100mの津別峠展望台なら一番高い確率で雲海を見ることができます。
同じ雲海でも日中と夜中の寒暖差で生じた霧が主な発生源だと、標高600m前後と低い高度を漂うことから雲海に浮かぶ山々が島となって見られるのが特徴です。

 


 

雲海発生の気象条件

  • 天気予報の注意報で、十勝・釧路・根室に濃霧注意報が出ていること。
  • 3時間後との予報で朝晩は曇り、日中が晴れという予報のとき。

雲海は平野部では曇り空または霧として見られるので、天気予報で雲海の発生状況を確認する目安に、夜は曇りで濃霧による交通傷害に注意して下さい。明日は朝方は曇り空で昼頃から晴れるでしょう。という天気予報が出ているのが必須条件です。

 

雲海確率-1

より雲海の確率を予想する

こ こからはより実践的な攻めの雲海を確率的に予想していきます。GPV(別タグが開きます)という気象予報データを使います。GPVとは!?…そこら辺は各自で検索して下さい。 私もよく分からずに使っている者なので詳しく説明できません。全国各地域の雲の発生状況や、雨雲、気温、風など高精度で予測することが可能です。とくに、 24時間以内の予想はとても精度が良いのが経験から感じています。

画像を見てみると、エリアは道北を選択し時間は日の出の頃の天気予想を見ており、赤印で津別峠展望台の位置が書かれてあります。
黄色い囲みが釧路と根室地方に当たり、ここに雲海が発生すると大雲海として津別峠から見られます。
見えにくいのですが、右下青枠は雨の強さを表す表です。


雲海確率100%
こちらの画像を見てみると、黄色い枠に雲海を表す濃い灰色の曇り空が広がっています。海霧は地上から見ると曇り空に見えるためGPV予報では曇り空として表示されています。この灰色が津別峠展望台あたりで綺麗に無くなっているところが、標高の高い山々に雲海がせき止められている状態を表します。
このように、津別峠付近で濃い灰色がせき止められている予報が出ているときは、100%に近い状態で雲海が見られるので津別峠へGO!

雲海確率-51


雲海ライブカメラ-1

津別峠展望台からのライブカメラ 雲の中の光景

雲海確率20%

釧路からやってきた海霧が津別峠付近でせき止められず、津別峠を越えて濃い灰色が広がっているときには一見、雲海が見られそうですが要注意です。峠の標高は1000m程なのでそれを超えて灰色の曇り空が広がっていると、高い確率で峠は雲の中に隠れています。これは海霧と言うより、雨雲を含む湿った雲が付近にあることを表しています。天気予報では日中を通して曇り空予報だと雲海が見られない可能性があります。また、GPVでは付近に小さな紫色の雨雲マークがある場合はさらに高い確率で雲海が見られない可能性があります
個人的に、峠付近に濃い灰色または、小さな紫色の雨雲マークがあるような天気予測だと非常に高い確率で雲海が見られないので要注意です。


雲海確率60%
津別峠展望台付近に、灰色の雲マークが広がっている場合。それは展望台付近を覆い尽くす低い雲なのか、上空にある高層の雲なのかを見極める必要があります。平野部の天気を予測する一般的な予報では雲の高さまでちょっと分からないですよね。個人的には、高気圧の勢力圏内で雲マークがある場合、上空にある雲の可能性の確率が高いので天気図を見て高気圧圏内なら、曇りマークでも峠に行ってみる価値はあると思います。
天気予報で、濃霧による交通傷害あるという注意報が夜から出ていて、明日の天気予報は日中は曇り所により日が差すでしょうに、高気圧圏内にある曇り空なら行く価値があります。また最も美しい光景が見られるチャンスが高いのもこう言った天気予報の時なので、要チェックです!

天候が味方するとこんな光景が

気象条件がそろうと、このような光景が津別峠展望台から出会えるかも。

Inspire 2 津別峠展望台からの空撮

はじめに、津別峠展望台からのドローンによる空撮は基本的に禁止されています。

フライトには事前に国有林を管理する森林管理署や津別峠展望台の管理者など、各本面との事前承諾が必要となりますので、くれぐれも無許可でのフライトは行わないようお願いいたします。

津別峠展望台は標高が1000mを超える高さにある尾根のひとつなので、気流が早く複雑に舞っているので、ドローンでのフライトは相当難易度が高い場所となりますのでくれぐれもお気をつけてください。

津別峠展望台 空撮

撮影場所 撮影時のアドバイスなど

近年は撮影者のマナーや人数が増えたことから、柵越えでの鑑賞、撮影ができなくなりました。役場の言い分は分かりますが、少しだけ煩わしいかなと思います。規制するのは良いですが何でも規制されるとちょっと面倒ですね。でも、現地のトイレが24時間開いていることは大変助かります!

 

  • 移動手段:車20分ほど急勾配の峠道を上る。冬の長い間通行止め
  • 撮影時期:6月上旬~10月下旬 日の出がお勧め。
  • 撮影時の気温:夏でも一桁代の気温まで下がる。
  • 撮影時の注意:暖かい格好は必要ですが、カメラの結露対策等は必要ありません。夜は怖いですが最低限の街灯とトイレが完備されています。
  • 撮影モード:日の出の時間帯なら絞り優先モードで撮影。露出で表現が大きく変わるので露光補正をかけながら撮影するのをお勧めします。
    星空などでは、bulb撮影または比較明コンポジットがお勧め。



    カメラやプロジェクターなど機材レビュー

    大自然の中に訪れて楽しめるのが一番ですが、家に居ながら大自然の映像を楽しめるプロジェクターの機材レビュー、カメラを掘り下げて使ってみたレビューとRAWファイルのダウンロードのページもありますので、良かったら見てください。

    portfolio 一覧
    Translate »