撮影機材
- EOS Ra
- EF70-200mm F4L IS II
- EF11-24mm F4L
- EF16-35mm F2.8L III
- EF85mm F1.4L IS
- 赤道儀 スカイメモR
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
お正月休み、天候にも恵まれたことから月明かりが被らない星空をEOS Raを使い撮影してみました。
数年ぶりにスカイメモRの赤道儀も使ってみました。
本当に久しぶりだったので、微動雲台などの調整が狂っていたことから現地でセッティングが完了するだけで1時間ほどかかってしまいました(^^;)
赤道儀を北極星に真面目に導入するのも本当に久しぶりだったので、錆び付いていて怪しい腕前ですがとりあえず、写真の写り的には大丈夫でした!?
目次
赤道儀を使い撮影する前に、ハルニレの木へ寄り道

優しい月明かりと冬のダイヤモンド
2020/01/02
月明かりは弱いですが夜空に残っている状態があと2時間ほどあるので、赤道儀を設置して撮影する場所へ向かう前に、ハルニレの木へ立ち寄ることにします。
お正月休みだとこんな場所でも夜に普通に同じ撮影者が居ます。
この日も何人かの撮影者が居たので、なんだか撮影中は安心感が出てきます。
弱い月明かりと冬の星座達との相性がとても良いので、思った通りの写真が撮影できます。
Kenko レンズフィルター ハーフプロソフトン (A) 100×125mm
固定用のフォルダーは使わずに手持ちで30秒、レンズの前にかざしての撮影です。
16mmの広角でも手持ちだとケラレ(影)ないのと(16mmという超広角の焦点距離なのでフォルダーの出っ張りが影となり写真に写り込む現象)、ソフトフィルター効果をハルニレの木へかけたくないので、露光中はハーフプロソフトンをレンズ下方に写る予定のハルニレの木を意識しながら上方にソフトフィルター効果をメインでかけつつ、たまに下方にソフトフィルターを当てることで、木々の解像度は保ちつつシリウスなどの星々を滲ませ演出させています。
やっぱり弱い月明かりと冬の星々は、美しい星空写真に仕上がります。
赤道儀を使いEOS RaとキヤノンのEFレンズを使って撮影

プレアデス星団
EF70-200mm F4L IS II
赤道儀のセッティングが完了してから撮影した1枚です。
まだ月明かりが気持ち残っている夜空だったので、試し撮りにすばるとして有名ですが、プレアデス星団を撮影します。
やっぱりというか、200mmの焦点距離では短いです。
最低でも400mmの焦点距離が欲しくなります。
ISO12800という超高感度で撮影していますが、以外とノイズが目立たないかと思います。
カメラのノイズ処理の一つに、マルチショットノイズ低減という機能があり4枚の写真をカメラ内で自動合成され、ズレなども自動補正されるのでイメージ的には4枚の写真を加算平均させてノイズを低減させてくれます。
パソコンを使った後処理で4枚合成するだけでも大変なのが、カメラ内で完了するので星空撮影がとても楽になります。
赤道儀を使って北極星を私の怪しい手作業ながら、わりと高精度に導入したつもりだったので200mmの焦点距離でも100秒、200秒程度の露出なら問題ないかなと思いましたが、思いのほか風が強いのと赤道儀に取り付けるバランスウエイトを忘れたので、ちょっとした風で星の像がぶれやすい状況でもあったので、失敗をごまかせるマルチショットノイズ低減で撮影させていただきました(__;)

カリフォルニア星雲
EF70-200mm F4L IS II
プレアデス星団のお隣にあります。
やっぱり200mmでは焦点距離が不足していますが、EOS Raならではの写真です。
オリオン座周辺域より、赤色がよく写る被写体なので特別な画像修整の必要も無く撮影が楽しめます。
問題が、ぱっと見だとカリフォルニア星雲が見つからないので私はすばるを目印に70mmで一度試写してから位置決めをします。
カリフォルニア星雲やすばるの撮影になると、位置的にほぼ星空の天頂ふきんにあるので赤道儀にレンズとカメラを設置して撮影となると、どえらい角度となるので撮影者は立ち膝など腰を下ろして撮影する姿勢を強いられますが、バリアングルモニターのおかけで、楽な姿勢で構図の確認や設定など可能なのもEOS Raの魅力の一つです。
-10℃付近まで冷え込む北海道での星空撮影で、数時間も撮影していると楽な姿勢で撮影できるかどうかは撮影前から撮影中、撮影後も気持ち的にも体的にも楽になるので、バリアングルモニター搭載の天体撮影用カメラはとても使い勝手がよい製品です。

オリオン大星雲と馬頭星雲
EF70-200mm F4L IS II
月明かりも無くなり、赤道儀を使った撮影にもなれてきたので本命の撮影を始めます。
風の揺れを少し受けているので、星の像が少し滲んでいますが…まぁいいでしょう^_^;
本来なら低感度で総露出時間を数時間かけて撮影する被写体の一つですが、最新のカメラなのでISO25600のパワー任せで撮影しています。
オリオン大星雲は以外と明るい天体なので、あっさりと白飛びしてしまうのことから白飛びしていないオリオン大星雲を別カットで撮影、合成しています。
ISO25600の超高感度撮影ですが、同じくマルチショットノイズ低減で4枚写真をカメラ内で合成しているので、思ったほどノイズは少ないのかなと感じています。

冬の天の川
EF16-35mm F2.8L III
F2.8と明るいレンズですが周辺減光が気になったので、F5.6まで絞りISOも3200と控えめに設定しての撮影です。
明るいレンズは解放F値で星空撮影ができるメリットありますが、一段以上に絞って撮影できる余裕があるのも大きな魅力です。
写真で見られるレンズ周辺の減光現象、普通のシャッター速度ならデジタル補正でなんとかなる面がありますが、10秒~の長秒時撮影ではデジタル補正が困難になります。
特に星空写真だと普通に、300秒や600秒と長秒時撮影をするので周辺減光は撮影の大敵です。
赤道儀を使っているので、600秒の長秒時撮影でも星は流れずに撮影が可能です。
ポータブル赤道儀は各メーカーからいろんなモデルが販売されていますが、良好な追尾を求めるなら北極星を高精度で導入できる極軸望遠鏡(照明付き)があるかないか、あるいは別購入の代金まで考えて選ばれるのをおすすめします。
冬の天の川は夏の天の川と比較すると、どうしても写真映えしない星空ですが天体撮影用カメラEOS Raと赤道儀を使うことで本来持っている冬の天の川の微細な美しさを余すこと無く写しきることができます。
EF85mm F1.4L IS を使ってモザイク撮影に挑戦

複数枚の写真を撮影し、机の上に並べて一つの写真にする方法で撮影したのがこちらの一枚です。
EF85mm F1.4L IS は解放では顕著な周辺減光が見られますが、絞るとほぼ解消されることから星空撮影におすすめのレンズです。
とても明るいレンズなので、EOS RaのAF低輝度合焦限界EV-6のスペックでほぼ全天の星々とのAFが可能、ピントを合わせたい星をタッチするだけで簡単に素早くカメラが自動でピントを合わせてくれます。
実際のAF精度をライブビューから30倍に拡大して確認すると、手動で合わせたのとほぼ変わらない精度です。
EOS Raで撮影した日周運動

EOS Ra 朝焼けの赤色も鮮やか

同じ天文薄明の時に撮影したEOS RとEOS Raの写真です。
地平線付近の赤色の出方がまるで違うので、早朝や夕暮れ時に撮影するとPhotoshopCCなど画像修整の必要が無いほどドラマチックに色づける可能性があるのと、2ヶ月ほどで撮影が可能となる夏の天の川と朝焼けの撮影時にも面白そうです!
EOS RとEOS Ra 日中の撮影比較


EOS RaはEOS Rと比較すると、日中での撮影では少し青寄りのカラーになる傾向です。また赤い看板や赤いドアはより赤く写る傾向です。
青空が普通に青く写せたり、自動トーン補正を掛けることでむしろEOS Rより印象的なカラーで写せたりもするので風景撮影も楽しめそうですし、通常の撮影なら大きなカラーバランスの崩れはなさそうなの印象です。

仮まとめ
10年間待ち続けたキヤノン純正のフルサイズ天体撮影用カメラEOS Ra。
フルサイズカメラではまだ珍しい、バリアングルモニター搭載なので天頂付近まであらゆる角度からの撮影でも構図やピントの確認、楽な姿勢での撮影が可能となります。
また、 AF低輝度合焦限界EV-6 からと明るいレンズを使うことで、ほぼすべての星々とのピントがカメラ任せで高精度でAFが可能になったことと、30倍拡大表示により星のピントのさらに山まで追い込んだ調整が可能になり、赤道儀なの追尾状況や風の影響によるブレまでリアルタイムで確認できます。
機械的な故障のリスクが良くも悪くもシャッターユニットぐらいに減ったのと、最新の防塵防滴を装備したキヤノンのフルサイズカメラということもあり、マニアックな製品ですが、一度購入することでほぼ一生ものとして使える耐久性が期待できそうです。
星空撮影が好きな方にこそ強くおすすめしたいカメラです。
EOS Ra 撮影データダウンロード
キヤノン EOS Raで撮影したデータを下記リンクから自由にダウンロードが可能です。
すべてJPEGの撮影したままのデータとなります。
天体撮影用カメラというマニアックな製品なので、実際に見て触って参考にしていただければ幸いです。
EOS Ra JPEGフルサイズデータ | |
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