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黄道光と天文薄明が星空写真に適しています
ご無沙汰足しておりました(^^)
ここに来て、少し時間が作れるようになったので連載が滞っていた「星空教室」最新号を掲載させていただきます。
気づいたら各社から新商品が沢山出てきましたね!
私にはキヤノン以外の商品名の把握は困難というか諦めました…ムリです(^^ゞ
1DXも手元に届いてから半年が過ぎたので、機材レビューを書きたいと思っていましたがそれより緊急性の高いテーマを思い出したので…それから始めたいと思います。
今回のテーマは「黄道光」と「天文薄明」になります。
詳しい意味は、ネットで検索されるとわかりやすく深く理解することが出来るので後ほど、確かめていただきたいのですが、私なりのザックリ説明で良かったら下記の内容となります。
●黄道光:
地球の軌道上にある宇宙のチリが太陽光で照らされ、浮かび上がって見られる現象。チリと星の光で輝く天の川のミニミニタイプみたいなモノ…かな。10月と11月は、夜明け前に黄道光が見頃を迎えます。
●天文薄明:
日の出前・日没後、一番星が消え始め・見え始める頃の空の明るさを表すロマンチックな言葉。北極圏の白夜もこの天文薄明の延長上にあります♪北海道の緯度でも6月だとプチ白夜状態が楽しめます。
※今回のレポートでは、夜明けに向けて見られる天文薄明について書かせていただきます。
■秋から冬に向けて、空気が澄んできましたね。冬の星空の雄、オリオン座の輝きはとても力強くて魅了させられます。オリオン座の左側には凜とした冬の天の川も見られます。
オリオン座を中心に、SMAPみたいなスバル、孤高のカペラ、銀狼のシリウスなど強い個性が光る星々もまた冬の星空撮影の楽しみです♪
ただ、冬の星々を撮影するとなると…これが難しい。淡い凜とした冬の天の川を撮影するとなると星景写真クラスのステージではなく、天体写真クラスのお金と技術と根性が試されます。GANREFサイトでも、まともに撮影できる方は本当に少ないと思います(でも、冬の天の川を撮れるようになると、本当に感動するのでここを目指されるのも良いですよ♪)
GANREFで写真を楽しまれている方は、天体写真家ではなく「星が輝く感動的な光景」…星景を写しきりたいと思っている方が多いかと思います。そうした場合、星空と地上の景色との【構図】が大切になってくるので、星景というテーマをどうアプローチしていくかが重要だと思います。
■アプローチの仕方にも色んな方法がありどれも有効的で、素敵な星空写真が撮られますが今回のテーマでは、一つに絞ってお伝えします。そこで、秋冬の星空撮影でお勧めしたいのが「天文薄明」を生かした星景写真です。
下記に作例を掲載します。
星空がきれいな青いグラデーションを描きながら写されていて、天文薄明は星と夜空の色の繋がりを理想の形で再現してくれる【星空撮影のゴールデンタイム】です。
■天文薄明を使った星空撮影では最新のデジタルカメラ、高性能レンズは必要ありません。
カメラ(ミラーレスも可)とレンズと三脚さえあれば大丈夫!
・撮影モードをマニュアルに設定しISOを800~1600に。
・シャッター速度30秒
・F値を開放(数字が小さい値)
・AFをMFにして無限にピントを合わせる
これだけの設定で写ルンです(^^
後の調整は、空が明るくなるにつれ写る写真も変化するのでシャッター速度を25秒、20秒…10秒と早めて調節し、ここまで明るくなってくると絞り優先モードで撮影しても大丈夫です。
太陽が昇る方角、東に向けて撮影すると地平線が明るく写り消えゆく星々と、空に駆けて青いグラデーションが美しい写真が撮れ、西の空だと深い青色の星空が楽しめます。
私のお勧めは、東の空にカメラを向けての撮影。星座や星の位置はあまり気にしないで、【地上の景色と星空との構図に気を配る】のが天文薄明を使った撮影時のコツです。
■ここでお勧めなのが金星と入れた星空写真です。
天文薄明を使った撮影では星座や星の配置を意識せずにと書いたが、金星を入れる時は常に金星を意識して構図を決めて下さい。
金星はヴィーナス、星の女性なのでポートレート撮影感覚で金星の美しさを生かせる構図を探すと素敵な写真が写せます。
また、金星は魔性の女(^^月とは違って強いオーラを出さないため、画面端にソッと入れるだけでビシッと芯の通った星景写真になります。
これから金星の位置が少しずつ地平線に近づいてくるので、天文薄明との兼ね合いから色んな構図を試せる時期になります。金星を更に輝かせる為に、一段絞って撮影すると綺麗なクロスで輝いてくれますし、思い切ってクロスフィルターを使ってより魅力的に演出するのも有りだと思います。金星から女性の香りが伝わるぐらいの艶のある描写がベストな金星の写し方です。
■天文薄明、金星とお伝えしてきましたが…もう少し早い時間帯から撮影して見ましょう。
10月11月の月明かりのない午前3時から東の空を見ていると、日の出前にもかかわらず地平線が明るくなる不思議な現象を体験できると思います。それが黄道光です。
太陽が昇る方角を中心に、ぎょしゃ座カペラをめがけて剣みたいな光の帯が見られるとてもロマンチックな天体現象です。淡い光の現象ですが、天の川を見て撮影出来る場所なら黄道光も撮影出来ます!
・撮影モードをマニュアルに設定しISOを800~3200に。
・シャッター速度30秒~300秒(リモートボタン必須)
・F値を開放(数字が小さい値)
・AFをMFにして無限にピントを合わせる
魚眼レンズがあれば、黄道光と冬の天の川を同時に撮影出来ます。
■天文薄明は年間通して楽しめる現象ですが、特に秋冬の時期はキレのある天文薄明の写真が最も楽しめる季節です。午前三時から黄道光を撮影し、天文薄明の味わい深い星空の色と地上の景色を合わせた写真を撮り、彼女(金星)を引き立てるポートレート撮影を終わらせた後に、日の出を写しきると言うネスカフェゴールドブレンドを飲みたくなる本当に…贅沢な時を味わえます(*^-^*)
しかも今なら撮影後のデザート(メインか!?)の紅葉撮影まで付いてきます♪
ここで問題なのが…夜中に気合いを入れて起きてから撮影地に向かうか、前日から現地入りし車中泊等でスタンバイするかどうか…(^_^;皆さんはどうされます!?
●更に詳しい星空写真の撮り方は下記リンクから参考にして下さい。
星空撮影の総合案内所
●天文薄明の時間帯は下記サイトの「国立天文台 天文情報センター 暦計算室」で詳しく調べられます。
http://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/koyomix.cgi
左に赤丸で囲った場所で天文薄明を選び、撮影場所と日時を指定すると詳しい時間帯が出てきます。
▲今回の星空教室は、黄道光で宇宙を知り、天文薄明で太陽を感じ、金星で香り付けして全体の構図を決めていくと素敵な星空撮影が撮られると思います(*^-^*)
この度も、最後まで読んで頂きありがとうございます!
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