型番: DP-EF-EOSRND (Canon Drop-In)
目次
はじめに
正直なところ、ミラーレスカメラにはあまり興味がありませんでしたがカメラユーザーの方々から(一部機材マニアだけ!?)これからはミラーレスカメラの時代みたいな風潮の投稿が多く見られるようになったので、Canonが出したミラーレスカメラEOS Rがどんなカメラなのか興味半分ということもありましたが、もっとも興味を持った内容に「ロップインフィルター マウントアダプター EF-EOS R ドロップイン 可変式NDフィルター A付(型番:DP-EF-EOSRND)」という凄い長い商品ですが、こちらの存在が購入理由の大きな1つです。
EOS Rシステム Canon Drop-In 概要
EOS Rからカメラとレンズを接続するマウントと呼ばれる規格が変更され、RFマウントという名称で呼ばれています。今までのキヤノンのフルサイズカメラはEFマウントと呼ばれ、RFマウントとは直接の接続が不可能となります。
その問題点を克服するのがマウントアダプターと呼ばれる機材となり、キヤノンからはマウントアダプター EF-EOS R、コントロールリング付きマウントアダプター EF-EOS Rの大きく2種類の製品が販売されています。
ドロップインフィルター マウントアダプター EF-EOS R ドロップイン 可変式NDフィルター A付(型番:DP-EF-EOSRND)は、マウントアダプター内部に可変式NDフィルターを内蔵させた製品となり、ND3~ND500相当までの濃度調整の設定が可能となります。
可変式NDフィルターは取り外し交換が可能なため、ドロップイン クリアフィルター Aを入れることで普通のマウントアダプターとして使ったり、ドロップイン 円偏光フィルター AだとC-PLフィルターとしても使える設計です。
通常のEFレンズ全般に使用でき特に、EF11-24F4Lなどレンズ前面にフィルターが付けられないタイプのレンズでも、NDやC-PLフィルターの恩恵を受けられるようになっています。これは、Canon純正のレンズ以外たとえばシグマやタムロンなど、やはりレンズ前面にフィルターが付けられないタイプの製品にも使えるので風景撮影や動画撮影をされる方にはある意味、夢のある製品に感じられるかもしれません。
作例写真
2019年の冬の終わりに販売されたばかりの製品なので、私もまだ使いこなせていませんが少ないですが作例を交えてご紹介させていただきます。
EF11-24F4Lを使ったジュエリーアイスの作例
少し大げさかもしれませんが、DP-EF-EOSRNDを使うことでジュエリーアイスの写真の仕上がりが劇的に進化します。
ジュエリーアイスは撮影中に日の出とともに太陽の明るさが増し、刻々と変わるカメラの露出の調整がEF11-24F4Lでは限界を感じています。最大絞りもF22までなので絞りでの露出の調整も難しいですし、レンズ前面にNDフィルターも取り付けられないタイプということもあり、スローシャッターによるジュエリーアイスの撮影はとても困難なのが実情です。
DP-EF-EOSRNDを使う事で、刻々と変わる光の量を自由に調整できしかもF11前後ともっとも解像度が高い絞りで撮影できるようになったので、今まで以上にジュエリーアイスの撮影が楽にそれでいて刺激的な写真を撮れるように。
11mmでは可変式NDフィルターの影響で色ムラが見られます。これも作品によっては吉と出る場面もありますので、弊害と捉えるか表現と捉えるかによって見方が変わってくる面白さがあります。
私はアナログ補正による表現なので、色ムラは大歓迎です。
可変式NDフィルター+リアNDフィルター+リバースハーフND
EF11-24F4Lのレンズ後方のリアフィルターを入れるフォルダーにNDフィルターを入れます。濃度の濃いNDフィルターでは事前の構図確認やピント確認が大変難しいのですが、可変式NDフィルターをマウントアダプターに内蔵することでリアフィルターにそこまで濃度の濃いNDを入れる必要が無くなったので、事前の構図確認が飛躍的に楽になります。
確認後に、可変式NDフィルターの濃度を上げてやるだけで200秒クラスの長秒時撮影が気軽にできるようになったのも特徴です。
EF70-200F4LⅡIS 長秒時作例
DP-EF-EOSRNDとの相性はバッチリです。
マウントアダプターで光の量をコントロールできるので、シャッター速度を遅くして気軽に長秒時撮影が可能となります。
可変式NDフィルターがマウントアダプターに内装戯れたことでレンズ前面がフリー、空いている状態となり更にNDフィルターを付けることでさらなる長秒時撮影もできたり、ハーフNDなど追加で使うときにも便利です。
また、可変式NDフィルターを最大濃度のND500相当にするとカラーバランスが崩れますが、風景によってはこれもまた吉と出る場面があるので大いに活用できそうです。
EF16-35mm F2.8L III 長秒時作例
ドロップインフィルターの可変式NDフィルターのマウントアダプターをEOS Rに装着し、 レンズ前面にND400フィルターを取り付けて可変式NDフィルターをND3相当まで明るくして構図やピントを確認後、ND濃度を上げて長秒時撮影を行います。
事前に構図やピントの確認ができるので、長秒時撮影が気軽にできるようになります。
急な構図の変化にも対応可能
マウントアダプター内にドロップインフィルタータイプの可変式NDフィルターが内蔵されているので、レンズを交換するだけで光のコントロールをそのまま引き継げるのが最大のメリットです。
例えば、下記写真の様に広角レンズで撮影中に摩周湖へ雲海の滝が急に発生した場合では風景の切り取り撮影が必要になります。そこで、EF70-200F4LⅡISへレンズを交換するときに、今までだとNDフィルターを取り外し&取付という作業手順が発生するところこちらのマウントアダプターを使う事で、レンズ交換だけで可変式NDフィルターはそのまま引き継げるのですぐに撮影に取りかかれます。
急なレンズ交換でも可変式NDフィルターはそのまま引き継げるので、構図の設定やピントの確認がすぐにできることからより撮影に集中できるようになります。
仮まとめ
製品の販売がEOS Rと同時期ではなく2019年2月下旬と、遅い販売ということもありまだ良く使いこなせていません。色々と試したいアイデアがいっぱい残っているので作例が取れ次第、順次掲載できたらと考えています。
写真から動画まで光のコントロールはデジタル処理では補正しきれないため、カメラの撮影では最も大切で最も難しい分野ですが、可変式NDフィルター内蔵のマウントアダプターを使う事で本当に気軽に調整できるようになります。
レンズ前面に可変式NDフィルターを付けると、調整の度にホールド感が悪くなるので気軽に調整すると言うことが少し難しくなりますが、マウントアダプターに内蔵されたことで、ホールド感を損なわずに微調整が可能となったのも大きいと思います。
Canonのミラーレスカメラは、RFマウントもですがEFマウントも今まで以上に使えるカメラに育てたいという思いが伝わる製品かなと私は思います。
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