目次
星の撮り方シリーズの総合案内
※②Bulb撮影で天の川を撮りました。
低感度でじっくり撮影することで、ノイズを減らし天の川と湖面の映り込みを同時に撮影することができました。
久しぶりの星空教室です。まだやるのか!?と言われそうですが海外ドラマ並に続きます(^^
真新しい内容はありません。復習を兼ねてリンク特集ページとしてご活用ください。
■今回はお温習いをかねて、何度か掲載してきた星空シリーズのリンクと要点について書かせて頂きます。
特に目新しいモノはありませんが、今週末に訪れる夏のビッグイベント!海の日が星空撮影にとても適した日なので、普段から撮影されている方にもまた、今までチャレンジされたことが無い方にこそ、この連休を使い是非撮影に挑戦して欲しいなと思います(*^_^*)
※夜明けを迎える一瞬のチャンスに、素敵な星空写真を撮るチャンスが来ます。流れ星もありますね!良い行いをした結果でしょうか(^^ゞ
●星空の撮り方シリーズ 第一回 「星空にふれよう」
ここでは、撮影する前に全国各地の星空をシミュレーションできる無料ソフトを紹介しています。月明かりの影響まで計算されているので、星空撮影には何時も使っています。見てみると、海の日連休は天の川が輝く満天の星空が期待できますね!天の川は南の空にあるので、撮影するときはコンパスなどで南を探しながら撮るようにすると良いでしょう。
●星空の撮り方シリーズ 第二回 「撮影装備をチェック!」
星空撮影には大きく、固定撮影とガイド撮影があります。ガイド撮影は追加の機材が必要なので、無い方は週末まで間に合わない可能性がある事から今回は、固定撮影を中心に書きます。固定撮影はカメラを三脚に固定して撮影するスタイルです。
必要機材もカメラにレンズ、三脚だけで撮る事が出来ます。
有ると便利なのが、「リモートスイッチ」30秒以内の星を止めて撮影するスタイルだと必需品ではありませんが、300秒、600秒の「Bulb撮影」や「6秒~30秒」のシャッター速度で連続して星空を撮影し、PC画像処理で写真を繋げる比較明合成を考えている方には必需品です。後は、寒いので防寒着と虫除けスプレー、予備バッテリーもあると便利です。
●星空の撮り方シリーズ 第三回 「ピントの合わせ方・コツ」
写真はピントで始まってピントで終わるという勝手に考えた格言を元に、書かれています(^_^;今ならピント合わせの基準に、星空のほぼ真上にあるベガが明るくわかりやすいと思います。どうしても見つけられなければ、数キロ離れた町明かりなどを基準に合わせるか、もしくは日中に同じく数キロ離れた被写体にピントを合わせてセロハンテープで固定するのをお勧めします。
①天の川を下記写真のように動きを止めて撮影するには、次の手順でカメラを設定してください。
■カメラ・三脚・レリーズ等の設置
■レンズは28mm以下の広角を使いMFにしピントを∞位置に合わせる
■基準となる明るい星をライブビューで誘導し、×10倍で拡大、フォーカスリングを∞位置から前後に微動させながら星のピントの山を探り当てます。
■撮影モードをマニュアルにしISO1600以上・シャッター速度20秒~30秒
■F値はレンズの開放値に設定(理想はF2.8以下)、南の空に向けてシャッターを押します。
※構図合わせも兼ねて、試写するときは最大ISOに設定、シャッター速度6秒とかの短めで撮影し、地上の水平線の確認や星の位置を把握すると良いでしょう。
②天の川を下記写真のようにBulb撮影で星の光跡を撮影するには、次の手順でカメラを設定してください。
■カメラ・三脚・レリーズの設置
■レンズは28mm以下の広角を使いMFにしピントを∞位置に合わせる
■基準となる明るい星をライブビューで誘導し、×10倍で拡大、フォーカスリングを∞位置から前後に微動させながら星のピントの山を探り当てます。
■撮影モードをマニュアルにしISO200~800・シャッター速度Bulbに合わせ30分~10分間撮影します。
■F値はレンズの開放値より一段絞ったF4~5.6に設定し、南の空に向けてシャッターを押します。北の位置にあわせると北極星とカシオペア周辺の天の川を写せます。
※長秒時撮影となるため、バッテリーの残量には常に気をつけてください。長秒時撮影時のノイズ除去をするに設定しているカメラでは撮影時間と同じ処理が発生します。
③下記写真のように星も複数枚の写真を一つに合成する撮影方法、比較明合成をされる場合は次のようにカメラを設定してください。
■カメラ・三脚・レリーズの設置
■レンズは28mm以下の広角を使いMFにしピントを∞位置に合わせる
■基準となる明るい星をライブビューで誘導し、×10倍で拡大、フォーカスリングを∞位置から前後に微動させながら星のピントの山を探り当てます。
■撮影モードをマニュアルにしISO800~3200・シャッター速度6秒~30秒間隔、連続撮影モードに設定して撮影します。
■F値はレンズの開放値より一段絞ったF4~5.6に設定し、撮りたい空に向けて連続撮影します。北の位置にあわせると北極星からの綺麗な日周運動の星の光跡が写せます。
※日没間もない時もしくは、夜明けに向けて撮影すると淡い色合いが写せて凄く幻想的で素敵な写真が作れます。
■応用撮影
・上記の②、③の撮影方法。特に②の撮影方法ではレンズを望遠にして撮影するのもありだと思います。広角で撮影された星空写真は沢山撮られていますが、こと望遠で切り撮った写真はあまり見かけません。機材のブレには凄くシビアですが…上手く撮れたときには凄く素敵な写真になる予感がします。
・①では、前景に人のシルエットを入れると雰囲気ある写真が撮られます。またLEDライトを持って文字や絵を描いても面白いなと思います。
・①、②において、地上の被写体をライトで照らして撮影すると月明かりが無くても星景写真が楽しめます。
・③はそのまま微速度撮影のデータとしても使えます。
・流れ星を撮るには…日頃の行いが重要ですね(^_^;確率論から言えば、連続撮影する③かBulb撮影②が写っている可能性が高いでしょう。
・宇宙ステーション・イリジウムフレアを写真に納めると、凄く幻想的な写真になります。
下記サイトから観測地点から見られる日時、方位等が割り出せます。
http://fas.kaicho.net/tenshow/cgi-bin/iridium21.htm
私も何時も写真に入れたいなと思っているのですが…撮影するとすぐに忘れてしまって(^^ゞ
・湖面に星を写し込む気象条件は…晴れた風のない日です。風があると湖面に波が出来て星が上手い具合に反射しないので難しい撮影対象です。
・雲があっても撮影は諦めないでください。特に①、②だと雲がある方が風景写真と同じでとても雰囲気ある写真を撮れるチャンスだと思います。
[image:4]※②Bulb撮影において、これぐらいの撮影時間なら長秒時撮影のノイズ除去をOFFでも問題ないノイズ感です。どうしても気になるなら思い切ってモノクロ化にする事をお勧めします。ノイズすら絵になるでしょう。
▲固定撮影だけに重点を置いて書かせて頂きましたが、赤道儀を使って追尾撮影されるアニキ達には…解説不要ですよね。
後は天候を祈るばかり…good luck!
色々と解説したかったのですが…5000文字の制限が近づいてきたので下記シリーズは省かせて頂きます。テストにも出ないと思うので(^^ゞ時間のあるときに見て頂ければと思います。
●星空の撮り方シリーズ 第四回 「秋は星空三昧」
※秋は星空三昧。撮影地の選別等、連休の星空を楽しみましょう
●星空の撮り方シリーズ 第五回 「日周運動の撮影 6秒の壁を越えろ!」
※応用編、比較明合成の撮影間隔で生じる隙間を克服してみましょう
●星空の撮り方シリーズ第六回 「ソフトフィルターでメリハリある星空写真を撮ろう」
※星は潤んでこそ美しい。ファンタジーな世界観を再現してみましょう
●星空の撮り方シリーズ第七回 「画像処理の心得」
※特別付録付き 基礎的な処理方法を一緒にやってみましょう
●星空の撮り方シリーズ第八回 「星を繋ぎ煌めかす」
※望遠を使った比較明合成に一緒にチャレンジしてみましょう
●星空の撮り方シリーズ第九回 「減算を使ったフラット処理風味」
※画像処理の応用編 日の出と天の川を同時に撮影しましょう
●星空の撮り方シリーズ第十回 「星空教室inウユニ塩湖」
※南半球の憧れの星々を微速度撮影と一緒に楽しみましょう
●星空の撮り方シリーズ第十二回 「黄道光」
※天文薄明と黄道光を体験、撮影しよう
●星空の撮り方シリーズ第十三回 「比較明コンポジットの隠し味」
※比較明コンポジットの星空写真にひと味、足してみよう
●星空の撮り方シリーズ第十四回 「続・画像補正」
※画像ソフトを使わずに星空写真を補正してみよう
●星空の撮り方シリーズ第十五回 「青ハロ」
※画像ソフトを使いより美しい星空写真に仕上げよう
●星空の撮り方シリーズ第十六回 「星の色」
※星の色をより際立たせる撮影方法を試してみよう
■最後に
比較明合成撮影以外は、基本RAWで記録しましょう。後の画像処理に有利です。また、ホワイトバランスは白色電球系にするとあの碧い星空で写真を撮ることができます。
星空撮影、特に月明かりが無い夜は状況の把握が難しいので、転倒など予期せぬ事故に巻き込まれる可能性があります。単独行動より出来れば、複数のグループで撮影されることをお勧めします。
また、不慣れな土地で撮影するより、行き慣れた撮影地の方がよいでしょう。
撮影地の選考では、私は日の出の綺麗な場所が星空撮影にも向いていると思います。
夜は冷え込みが予想されるので暖かい服装が必要です。
またレンズに夜露が着いて撮影が困難になるので、Amazonでハクキンカイロと検索すると夜露対策になるグッズが見つかるので、レンズに付けてやると安心です。経験上、1~2時間の撮影なら夜露の心配が無く撮影出来るのと、夜の撮影は体力的に辛いので夜露が着いたら撮影終了の合図と思ってもよいでしょう。
最後まで見て頂きありがとうございます(*^_^*)
Leave a reply