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星空は画像処理が決め手
さて、今回のレポートは星空を実際に撮影した後の画像処理について書かせて頂きたいと思います。
写真撮影場所は、磯村先生とご同行撮影をした北海道銀線台からの星空写真を使います。
先生は翌日、ここの近くの温泉宿でヒグマに襲われたそうです(^^ゞ
冗談ですが、実際に暗闇で遭遇したそうです!
週末に開催される先生主催のワークショップも本格赤道儀まで投入した、かなり面白そうな内容だと思うので近くに居たら参加したかったですね。
では、今回のレポートタイトルに「画像処理の心得」と書いてありますが、私が思うに画像処理につては確たる正解例が無いと言うことが…心得だと思っています。
これは星空写真だけでなく、通常の撮影においても同じ事が言えると思います。
写真は芸術カテゴリーに入ると思っており、色んな写真の表現方法があるからこそ難しく大変だけど、面白いのかなと思っています。
なので、自分流の表現方法を見つけることが「心得」になると思うので、もしまだ見つかっていない方は色んな方法を試し、他人の作品を真似しながら進むと良いと思います。
今回のレポートもあくまでari流と言うことで、見て行ってくれたらと思います。
■画像処理の方向性
私の星空写真についての画像処理の基本は、淡い処理としています。
もちろん例外的な写真も沢山ありますが…(^^ゞ
淡い処理だと星空写真における問題点をある程度、克服出来るからです。
問題点として以下の項目があります。
- ノイズ
- 色収差
- 周辺減光
- 光害
- 等々…
- ノイズ
天体写真になるとISO1600~6400などの普段使わない高ISO感度で撮影する事になります。
ここで、ノイズの特徴として高ISOの為に発生しているように思いますが、見方として色情報不足からノイズが先に目立ちあのざらざら感が発生していると思って下さい。
撮影対象は暗い星空…淡い光の夜空を20秒そこらの露光では色を拾いきれない為、ノイズが目立つ傾向です。逆に長秒時の方が色が拾えてノイズの比率が下がる傾向です。ここに強処理をかけると星なのかノイズなのか分からなくなる写真になるので、淡い処理の方が総じて有利だと思います。
★色収差
これはレンズの性能にもよりますが、星の回りに青紫色系の滲みが出る現象(青ハロ)です。現像ソフトである程度回避可能ですが、処理を強めると星の輝きより強い色になるので、要注意です。
さらにピントが合っていない場合に目立つ傾向なので、もしそれに当てはまるならもう一度下記レポートにコマを戻さなくてはいけません。
星空の撮り方 第三回 「ピントの合わせ方・コツ」
★周辺減光
これも現像処理で補正できますが…あくまでソフト処理であり減光されたという事はその分だけ周辺域の露光時間が足りないということ。時までは補正してくれないのでその分ノイズが目立つ傾向ですし、基本レンズ開放で撮影するので周辺減光は最大の障害かもしれません。
★光害
星空を強調しようとして画像処理を行ったら、街灯りの光害まで強調されてしまったのではいけないですよね。特に彩度を上げていくととてもカラフルな光害となり、星がメインなのか光害がメインなのか分からなくなる写真になりがちです。
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上記のように星空処理の問題点を書きましたが、
これも視点を変えると写真表現にとってメリットにも
・ノイズ
わざとISO12800やそれ以上で撮影すると壮大なノイズが出ると思います…それをノイズ処理せずにモノクロ化すると…ノイズすら絵になる写真に生まれ変わります。また、カメラ内処理のアートフィルターにもあるのですが、わざと高感度で撮影しノイズ処理を強く実行することで不思議な空間の写真に仕上げることも出来ます。
・色収差
これはソフトンBクラスの強いソフト効果を使うと色滲み(青ハロ)が綺麗に潤み、星の輝きをいっそう強めてくれる効果があります。処理によっては紫色に潤んでくれるので、幻想的な星空を演出することも可能です。
・周辺減光
これもアートフィルターでよく見られる処理ですよね。周辺減光をわざと強調してやることでひと味違う星空写真が撮られます。
・光害
これも上手く構図に入れることで、人里の明かりを感じる星空写真を写すのには重要な要素です。またホワイトバランスを白熱電球に設定すると光害が白く淡い光に変身するのでこれも絵になりますね。
画像処理実践
キヤノンのDigital Photo Profes(DPP)を使った処理方法を記載します。
写真のUP枚数の制限から文章主体でわかりにくく、もしわけありません(_ _)
●まず初めに、下記サイトから私の星空写真の原本があるのでダウンロードしてください。実際のデータを使いながら実践していきましょう。ウイルスは…たぶん大丈夫(^_^;
http://hiroshimamunetaka.photo/image/test.jpg
あまり参考にならないデータではありますが…まともに夏の天の川を撮影した写真がこの一枚だけでした…。
DPPで開くと各種パラメーターが変更されていると思います。
一度、調整メニューの「撮影時の状態に戻す」を押してください。
かなり眠い写真ですね…暗いズームレンズを使っている時点でこのような写真になりますね…。手前に青く移るのが私の赤道儀「スカイメモR」とEOSX4で、このカメラでトップ画面の写真を撮影していました。
始める前に、右上にあるアンテナは無線マニアの移動基地局です。
ここからだとどれだけ離れた人と会話が出来るのでしょうか…気になります。
●初めにホワイトバランスをオートにしてください。
次にピクチャースタイルをニュートラルに合わせます。
撮影時はWBを白熱電球に設定して撮影している為なので、通常はこの動作は必要有りませんし、ピクチャースタイルをニュートラルにカメラ内設定していたら同じく不要な操作です。
先にレンズ補正を行います。
サンプル写真のレンズは純正品ではないので補正できませんが、周辺光量・色収差・色にじみを適量補正します。歪曲は構図と相談しながら補正します。
暗いですね…露出を+1.5まで上げてみましょう。
コントラスト +3
空が締まってきました。
ハイライトを操作してみましょう…+に移動させると天の川がより美しくなりますね思い切って+5まで上げてみましょう。(回りに光害が無いからであり有る場合は確かめながら合わせていきます)
今回はレンズ補正が出来ないので、シャドウ+2まで上げて周辺域の明暗差を埋めます。
これでも十分ですが…もう少し追い込んでみましょう。
ピクチャースタイルの下に分布図があるかと思います。
その図の両サイドに稼働するバーがあるので、マウスで摘むように移動させます。
先に右側のバー2.0と4.0の間3.8当たりまで移動させます。
左のバーを-4.0まで移動させるとより天の川のメリハリが出て来ましたね!
でも拡大すると星の回りに例の(色収差)色にじみが出ていますね。
これも収差補正が出来るレンズならある程度改善されると思いますが、今回は色ノイズ緩和レベルを17に設定して対応しましょう。
最後にWBを微調整で色合い220、色の濃さ45に合わせます。
これで一通りの作業は終了です!
最後に、RGB情報を見てみましょう画像処理の前後で分布図が変わってますよね。
ここで、赤ペン用意ですよ!
【理想的な画像処理の指針が有るとするなら、この分布図の左側を大きくさせずに、右側を大きくし、RGB各色が重なり合うような分布が総じてバランスがよい天体写真になる】と思ってください。
ここから先の画像処理はどうしてもPhotoshop系が必要となり、購入金額も難易度もアップしてきますが下の写真のように迫力有る天の川を表現出来ます。
Photoshop系でなくても、画像処理メニューで【マスク処理」が出来るソフトがあれば十分使えます。
下記の写真のようにマスク処理を天の川にかけていきます。
マスクとは、処理したい場所、処理したくない場所を自由に選べると言うこと。
天の川だけを処理できることで、より特化し処理を実行できますし「選択範囲を反転」させることで、天の川以外の場所に処理をかけることも出来ます。
応用をかけると、ソフト処理ハーフND・覆い焼き、焼き込み等の処理が可能となりますし、ここのサイトの写真を見てもそうやった処理をされている方が多いと見受けられます。
モノによってはレンズより高いですが…学生向け特別価格のアカデミック商品という魔法のまきエサもあるので、お子様がいらっしゃるご家庭なら…冒険してみるのもありかと思います(*^-^*)
ari流超適当マスク処理!
絶対に真似をしてはいけないですね…もっと丁寧に行うとさらによい結果が生まれますので…(^_^;
Photoshop系の講座も行いたいと思っていますが…文章化が難しいので。
■今回のレポートは文章ばかりで…読むのも大変だったと思います。
今回の画像処理方法は一つの目安として、自分オリジナルのイメージ作りの手助けになれたらとても嬉しいですね(*^-^*)
みなさんはどんな処理をされていますでしょうか…。とても興味がありますね。
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