比較明コンポジットの写真をキレイに繋げてみる
今年もよろしくお願いします。
本年もとても忙しい年になりそうな…そしてBIGな年の予感がする私ですが…皆様は今年はどのような年でありますでしょうか(*^-^*)
こんにちは!
今年もやってきました【星空教室】しかも新年号。
あ…今回は特別な福袋とかの付録は付いてきませんので…すみません(^_^;
今回は、改めて「比較明コンポジット」について紹介できたらと思います。
比較明コンポジットで生じる星と星の撮影時に生じる間隔…この問題は下記のレポートで紹介済みと解決方法を掲載しましたが、どうしても解決しない場合に対処する内容をレポートします。
■今回必要なソフトはAdobeのPhotoshop系が必須となります。
最新のCS5で無くても、フィルター効果の「エッジの強調」「輪郭以外をぼかす」「レベル補正」「レイヤー」「マスク」が使えるVerなら問題ありません。私はPhotoshop7.0で今回の画像処理を行いました。
超~広角レンズを使った星空の比較明コンポジットはこのGANREFでも良く見かけますが望遠を使っての写真はあまり…というか殆ど見ません。
おそらく…撮影する被写体と言いますかイメージの構図が少ないからだと勝手には思っていますが私は望遠レンズを使った比較明コンポジットはとても素敵な撮影方法だと思います。GANREFサイトで掲載されているBanBanさんのポートフォリオ【2012年 宇宙の旅】は望遠比較明として本当に感銘を受ける写真ですので、一度見てみて下さい(*^-^*)
■望遠を使うと星が拡大されるので、それだけ星と星の撮影間隔がより目立つ傾向です。先にレポートで紹介した「6秒以内のシャッター速度で撮影」を行っても下記写真のように間隔がどうしても目立ってきます…。
※光跡が何だか波打っているように見えますが…レンズの歪曲もあるかもしれませんが、シャッターブレの可能性が否定できません…三脚座なし、三脚に重しも付けずに怠けて撮影した結果です(^^ゞ望遠では少しのブレも致命的になるので…気をつけて下さい。
また…試し撮り後に構図再設定したのを忘れていました…星の光跡に不自然な線が短くありますが、それが設定前に撮影したコンポジット写真です(^_^;
構図によっては6秒以内に納められない場合もあるかと思うので、星の間隔はより大きくなる傾向だと思います。そこで、Photoshop系を使って画像処理を実行し星の間隔を埋めていく作業をこれから【二つ】進めたいと思います。
●一つが「エッジの強調」使った画像処理になります。
先に、「輪郭以外をぼかす」を4回実行します(好みで回数を前後、)行うと意外と後の処理が楽になります。
「エッジの強調」処理を選択しパラメーターを・エッジ幅1・明るさ2・やわらかさ13に今回は設定します。ここも好みなので撮影データと睨めっこして数値を動かして下さい。エッジ幅を1以上に設定しないのがこの処理のコツです。これで星の間隔は見事に消えていたら成功です。
処理後の画像を見てみると…星の色が少し失われ描写も甘くなっています。「レベル補正」で下記の様にパラメーターを狭めていくと、元画像の星の色、描写のメリハリが蘇ってきます。油断するとノイズも増えるので…微妙なさじ加減でお願いします。
レベル調整中
下記が処理後の比較明コンポジット写真。星の間隔が見事に消えていますね(*^-^*)
エッジの強調&レベル補正後の写真
●最後が「レイヤー」を使った処理です。
同じ画像のレイヤーを新規作成し、微動させ星の間隔を埋めるように移動させます。合成方法に比較明コンポジットを選ぶと、簡単に星の間隔が消え難しい画像処理も必要ありません。
レイヤー複製後、微動させ元レイヤーと比較明コンポジット
———————–まとめ———————–
■処理工程として楽なのはレイヤー処理なので、こちらだけを紹介したいのですが…星の光跡によっては上手く合わない…場面に出会う可能性があります。今回の撮影サンプルはオリオン座ベテルギウスを中心に撮影、黄道なので星の動きがほぼ直線という好条件と簡単に合成できました。もし北天もしくは南天に近い星の光跡も含めた焦点距離だと回転の違いで上手く行かないことが想像できます。対処方法で編集→変形→ワープを選ぶと細かな位置合わせはある程度可能です。
また、地上の景色を入れ写真だと「マスク」機能を使えばある程度解決できます。
ここで「マスク」と出て来ましたが、これは画像処理を行いたい箇所を画像から指定させられる機能です。地上の景色は調整したくないが星は処理を行いたい場合に重宝しますし、マスクをするしないという極端な選択だけでなく、境界線の曖昧さを指示することも出来ます。
レイヤー処理とマスクは気持ち処理工程が複雑になりかねないので、初めてされる方は「マスク&エッジの強調」を私はお勧めします。
エッジの強調ですが、星の間隔を埋めるだけに使うだけでは勿体ないので、上手く比較明コンポジットされた星の光跡を大きく輝かせるのにも使え、下記の写真は星空だけにエッジの強調処理を行うためにマスクを掛けています。星の線は本当に細く、縮小すると折角の写真の魅力が半減してしまうので…逆ソフトフィルター効果とも位置づけています。
エッジの強調とレイヤーを個別で紹介しましたが、二つの処理を同時に行うのもありです!重ね掛けすることで、お互いの良いところを生かし切れるので写真としての完成度も高くなる場合もあるので、色々と試してみて下さい。
レイヤー移動後の比較明コンポジットにエッジの強調処理を実行。比較明後の写真より、星の光跡が大きくなり迫力が増しているのが確認出来ると思います。
———————–さいご———————–
■画像処理は色々な方法があり、私の紹介したのもあくまでari流派なので…話半分で構わないです。加工項目はこれ以外にまだあるのでもっと良い方法も必ず眠っていると思っていて下さい…それが必ず自分流の画像処理を作るきっかけになるハズです。
最後まで読んで頂きいつもありがとうございます(*^-^*)
次回は、星空撮影に適したレンズや360°パノラマ機材等も紹介していく予定です。
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