ソフトフィルターを使って星空を美しく写す
星空の撮り方シリーズ第六回。お待たせしました(*^-^*)
今回はソフトフィルターを使った星空撮影についてのレポートになります。
デジタル全盛期の写真撮影、カメラ内画像加工も当たり前となりつつあるかと思います。
私もフォトショップ等を使い画像加工をよく行いまし、そのお陰で「銀河鉄道シリーズ」も簡単に撮影出来るようになりました。私も、画像処理で色合いやシャープネス、マスクで行うND効果等を後処理で加工すれば写真は何とかなると思っていました…が突き詰めていくと加工する写真、元データの完成度が重要だと気づかされました。
画像処理だとどうしてもRGB情報不足からくる画像劣化と言いますかノイズの目立つ写真になりがちになります。でもPLフィルターやカラー、ND、ソフト等を使い分ければ情報量豊かな元データを撮影する事ができるので、後の画像処理も楽にしかも完成度が高くなります。
久し振りに冒頭から真面目な文章を書いてしまいました(^_^;
どうしてしまったのでしょうね…あ!私は決してケンコーやマルミの使役ではありませんから~(^^ゞソフトフィルター系の話はもっと早い段階からレポートしたかったのですが、ここの撮影記の文字制限が5000文字以内という制限がありまして…一つのテーマを範囲内に収めるだけで大変でした。無制限とは言いませんから7000文字なら色々と助かりますね!いつも最後の〆は強制終了状態でバツンとレポートが終わっていて不自然なのですよね…という前にこの【ぼやき】もいけませんね…ハイ(^_^;
とにかく、ソフトフィルターをこれから購入される予定の方は、今回のレポート・写真などを参考に購入して頂けたらと思います♪
■ソフトフィルターは星空撮影の必需品
ソフトフィルターを使う一番のメリットは、明るく輝く星をより大きく写せる事です。
星空写真を撮影し、家に帰って見てみると何の星か分からなくなる「星の迷子」になる事はありませんか。ソフトフィルターを使う事で星座クラスの強い輝きを放つ星をぼかし、滲ませることで大きく写し星空にメリハリを付け、魅力的な写真にすることが出来るという本来のソフトフィルターとは逆の効果を生かす撮影術です。
■ソフトフィルターはケンコー
ソフトフィルターは各社から色んな種類のモノが販売されていますよね。
私も全てを使った事はないので何とも言えませんが…少なくてもマルミのソフトフィルターは星空撮影には向いていません。星のボケ方が棒線状に出て星としてのイメージから逸脱しているのが理由です。
今回のレポートではケンコーのソフトンAとB、LEEのフィルターを紹介させて頂きます。
ソフトンスペック、MC PROソフトンと二種類の規格がありますが、簡単に言うと超広角域でケラレるかケラレ無いかの違いです。今回のレポートで使ったソフトンスペックA・Bは超広角域ではサンプル写真でも見られますが周辺域が黒くケラレが発生しています。
超広角域での撮影を考えている方はMC PROソフトン系を選ぶとよいでしょう。
AとBの違いはぼかし量の違いから分けられているので、どちらを選ぶかは好みの問題ですがボケの量は焦点距離が伸びるほど増える傾向なので、今回のサンプル写真は10mm(35mm換算約16mm)でのボケ量としてみて下さい。
AとBを比べると「A」はまだ星の芯が残っている状態ですね。
Bはすでに星の芯が消えかけているので、ここから焦点距離を少しでも伸ばすと星の芯は無くなります。どちらも捨てがたい描写が楽しめますがこのシーンだと星が大きくぼける「B」の方が写真としての完成度が高く良いのかなと思います。
■ソフト効果A・Bのシーン別使い分け写真例
ソフトンスペック「B」を使い長秒時撮影。
オリオン座が一際大きく写せています。
この焦点距離だと「A」の方が自然で良いかもしれません。
●「さよなら銀河鉄道」
タウシュベツ橋があまりぼけてしまっては困るので、「A」を使い撮影しています。
もし「B」を使うと橋のディテールは更に損なわれて、バランスとしておかしくなっていたと思います。
●「星の木」
木々をシルエットとして撮影したので、ボケ量はあまり気にせずに、さそり座などを思いっきりぼかしメルヘン風に撮影できるよう「B」を使いました。
また、35mm換算31mmの焦点距離でも星の流れが目立たないですよね。
これはBのぼかし量が多い為、星の移動にともなう光跡すらぼかし、星の輝きとして写してくれました。なので、ソフト系を使い慣れてくると星の光跡という星景写真の問題点を克服するどころか見方に出来ると思って下さい。
★ソフトフィルターは星の光跡すらぼかし美しく表現できる★
■LEE100x100mm角ポリエステル ソフトフィルター
レンズ取り付け型フィルターだと、レンズによってもしくは将来レンズを買い換える時に口径が合わないと使えなくなりますよね。もちろんステップアップリングとかを使う方法もありますが、ちょっと一般的では無いかと思います。
そこでLEEから販売されている角ポリエステルのソフトフィルターのNo.1~5までの五枚セットのソフトフィルターを試してみます。
100×100mmの正方形フィルターなら殆どのレンズの口径をカバー出来ますね。
下記の商品:LEEラバースナップフィルターホルダー
http://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/filter/lee/4961607810705.html
これを使う事で手持ちのブレの心配も無くなりますし、最大82mm口径までサポート!
サンプル写真の星の滲みは大変美しく、超広角域でもケラレません。
気に入ったNo.は見つかりましたでしょう!?
これも焦点距離に応じてぼかし量が異なるので、あくまで10mm(35mm換算約16mm)の参考として下さい。個人的にはボケの美しさでLEEの製品が一番だと思っています。
また、二枚重ねてぼかし量を増やすことも出来るのでアイデア次第で素敵な星空写真が撮られそうです。ただ、まだ何とも言えませんが夜露には少し弱い気がします。レンズと密着しているわけではないので、レンズを暖めてもフィルターまでその暖かさが伝わるのが弱い気がします。撮影中は常に夜露には気を使いながら撮影されると良いでしょう。
■ソフトフィルターで比較明コンポジット6秒の壁を越えられる!?
結論から言うと今回のレポートでは特に目立った改善はありませんでした(^_^;
ソフトフィルターは光量の大きい星ほどぼかしてくれますが、それ以外はぼかしてくれません。今回は、ショッピングモール屋上からの撮影だったので…光害の少ない場所から設定を変えて撮ると効果があるのかも!?
もう一度検証したいテーマですね(*^-^*)
■まとめ
ソフトフィルターは本来の使い方として、ホンワカとした描写をさせる為のアイテムですが、こと星空撮影では輝きの強い星をぼかし滲ませることで星を大きく写し、メリハリのある写真に仕上げてくれます。
また、ぼかすことが前提なので厳密なピント合わせも必要もあまりなく、撮影の準備も大幅に減らせますね。いつかレポートしたい画像処理の件でも星の回りに出る青ハロもぼかしてくれるので後の画像処理も楽に済みます。
冬の星座は、本当に明るい星が多いのでソフトフィルターの効果を最大限に生かせる季節だと思います。今回のサンプル写真は冬のダイヤモンドに大三角、オリオン座にぎょしゃ座等を写しました(*^-^*)
サンプル写真はISO1600 F3.5 シャッター速度20秒で設定し撮影しましたが、強いソフト系を使っているのなら30~40秒でも光跡は気にならずに撮影出来ると思います。
そういえば、皆さんは魚眼系のリアフィルターには、なんのソフトフィルターを使われているのでしょうか!?私は円周魚眼レンズのリアフィルターにはLEEのNo.3のソフトフィルターをカットして使っています。
日ごとに寒さが厳しくなり、星の撮影も大変だと思います。
あまり無理をせずに、撮影を楽しみましょう(*^-^*)
またEOS-1D Mark IVが定期点検中のため、今月は星空写真をメインに掲載していく予定と、遅れているコメントのお返事は明日以降お返ししていきます(^^ゞ
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございます。
Leave a reply