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赤道儀の選び方比較
金環日食が近づいてきました(*^_^*)
撮影記でも金環日食系の投稿が増えてきましたね。
私も凄く楽しみにしているのですが…北海道からだと金環にならないのと、
月曜日は一応仕事があるという理由から、今回の撮影は見送る色合いが濃くなってきました(>_<)
GANREFサイトで全国各地にて撮影された写真を楽しみにしています。
もし、全国的に天気が悪くて北海道だけ観測されそうだったら…チャレンジしてみたいと思います。
■今回は、ポータブル赤道儀の性能比較と選び方についてレポートさせて頂きます。
現状持っているポータブル赤道儀は下記の4つです。
●スカイメモR
●CD-1M+
●オルゴール赤道儀
●小型赤道儀
これ以外にTOAST-Proとポラリエとの比較をしていきたいと思います。
これからポータブル赤道儀を購入される方、興味を持たれている方に必見!
すでに購入されている方からは、実際に使っている機材の感想を是非コメントして頂きたいです。そうして頂けたらよりレポートの厚みが増しますし、多くの方への参考になると思います。
初めに、超広角~広角系レンズを使いシャッター速度300秒前後の追尾にはどの赤道儀の精度も問題ありません。
●スカイメモR(85,000円)
追尾精度:☆☆☆☆
携帯性:☆
使いやすさ:☆☆
価格:☆☆
極軸望遠鏡:4倍 実視野10° 暗視野照明
追尾モード:等倍速、2倍速、停止、南半球対応
搭載荷重:最大5kg(X4+EF400mmF5.6Lで問題なく撮影出来ます)
撮影用途:星景~星野写真
スカイメモRと専用三脚までそろえられたら後は何も必要が無いオールインワンタイプの商品で、勝負所の撮影では必ずこの赤道儀を私は使い、本当に信頼感のある機材です。
ポータブルと呼ぶには大型重量級に入り、設置するには耐荷重10kgクラスの名のある三脚が必要です。本来別売りとなる極軸望遠鏡が唯一標準装備され、しかも照明付きなので天の北極を高精度でしかも安易に合わせることが可能です。カメラアームが取り外せるのでカメラの設置から構図も楽に設定でき、バランスウエイトまでつけられるのでぶれに強く星景はもちろん、400mmクラスの超望遠レンズを使った星野撮影まで楽にこなせます。
ただ、ポータブル!?というほど重く大きく、三脚等の予備設備も必要なことからちょっとだけ使いたいな…という方には不向きです。
実売では、意外と安く売っておりYahoo!オークションにも頻繁に出品されていることから場合によっては安く購入でき、極軸望遠鏡と性能で考えたら非常に安価なポータブル赤道儀とも言えます。
●CD-1M+(39,800円)
追尾精度:☆(オプションの極軸望遠鏡を使うことで☆☆)
携帯性:☆☆
使いやすさ:☆☆
価格:☆☆
極軸望遠鏡:簡易型
追尾モード:等倍速、0.5倍速、2倍速、16倍速、南半球
搭載荷重:最大5kg(X4+EF400mmF5.6Lで撮影出来ます)
撮影用途:星景~星野写真(極軸望遠鏡必須)
ポータブル赤道儀の入門用です。本体重量もそれほど無いので、中型三脚に楽に取り付けられます。モーターにはビクセンの商品が使われているので精度に問題なく、厳冬期の厳しい環境での使用でも安心感があります。星景までなら本体のみで十二分で、50mm~400mmの星野撮影となるとオプションの極軸望遠鏡や微動雲台などが必要となり、場合によってはスカイメモRより高く付く可能性があります。
三種類のタイプが販売され、CD-1、CD-1+、CD-1M+とありますが、地上の景色と星空を同時に写す星景撮影で便利な0.5倍速モードがあるCD-1+がお勧めです。
特に際立った面も無ければ、悪い点も無いのですが電池BOXとコントローラーの配線が煩わしいのと、オプションを付けていくと高く付きます。
私も初めて購入したポータブル赤道儀であり、今でも使っているので安心してお勧めできる商品です。
●オルゴール赤道儀(19,800円)
追尾精度:☆
携帯性:☆☆☆☆
使いやすさ:☆☆
価格:☆☆☆
極軸望遠鏡:簡易型
追尾モード:等倍速
搭載荷重:最大2kg(本体が軽いので1kgが実用)
撮影用途:星景写真
ごめんなさい…初めて見たときには絶対に怪しい商品だと思いました。でも購入してみて使ってみると…ポータブル赤道儀として安心してお勧めできる商品です!600gと世界最軽量!?な軽さと、電池不要の手軽さから旅行時はもちろん思い立ったら星空写真というぐらい機動性に富みます。動力はオルゴールとなるので、初めにキッチリと巻いてあげ、スタート時は回転にムラがあるので1分ほど待ってから撮影するのがコツです。さらに意外と精度の良い高度計が本体に標準装備なので、コンパスさえあれば北極星が見つからなくても導入が安易ですしこのまま南半球でも使えます。本体が軽いので小型三脚でも大丈夫ですし、配線や電池の煩わしさも無く、価格的にも安いことから入門用として強くお勧めできる商品です。私は-20℃のタウシュベツ橋梁撮影時にも使いましたが、問題なく動作し冬の天の川のパノラマ写真を作る事もでき、南半球の旅行時にも携帯しました。
唯一の難点が…電池駆動で無いので私みたいなヘビーユーザーにはサクサクと撮影できないので、基本的に予備役となることです。たまに撮影するという方には電池が不要なので、チャンスに強い機材ともいえます。
●Amazonなどで販売している小型赤道儀(時価 約17,000円)
追尾精度:☆
携帯性:☆
使いやすさ:☆☆
価格:☆☆☆☆
極軸望遠鏡:簡易型
追尾モード:等倍速、南半球
搭載荷重:最大2kg 実質ミラーレスカメラ用!?
撮影用途:星景写真
手のひらサイズの小ささから、旅行にもお勧めです。ただ、本体は小さいのですがバッテリー、ケーブル等が必要なので意外と設置性とか煩わしそうです。また、小型はいいのですが赤道儀は重たい方が安定感があるので、一眼レフよりミラーレス系のカメラでの撮影がお勧めそうです。
個人的には、ポラリエのほうが高いですが相対的に満足度は高いかなと思います。
●TOAST-Pro(89,250円)
追尾精度:☆☆(オプションの極軸望遠鏡を使うことで☆☆☆)
携帯性:☆☆☆
使いやすさ:☆☆☆
価格:☆
極軸望遠鏡:簡易型
追尾モード:等倍速、0.5倍速、南半球
搭載荷重:???
撮影用途:星景~星野写真
※持っていないため推測値
価格にさえ耐えきれば、ポータブル赤道儀では最強クラスでしょう。小型軽量で配線の煩わしさが無く、35°傾斜ウエッジを維持しながら三脚に取り付けられる利便性。雲台の取り付け精度と設置の容易さ、標準装備の北極星導入窓の精度から来る追尾性能…これにスタイルまで良いので弱点は見つからないですね。高い商品ですが傾斜ウエッジと雲台が特にすばらしく、初めての方でも本当に使いやすい赤道儀だと思います。
でもネックは…価格ですね。星景クラスの写真だと超広角レンズを使い、シャッター速度120秒程度の追尾精度において、他社製品とのハッキリとした価格以上の違いはまず見つけられないと思います。標準~望遠となると違いが出てくると思いますが、その領域になるとスカイメモRが見えてくるので…。
●ポラリエ(49,350円)
追尾精度:☆(オプションの極軸望遠鏡を使うことで☆☆)
携帯性:☆☆☆☆
使いやすさ:☆☆☆☆
価格:☆☆
極軸望遠鏡:簡易型
追尾モード:等倍速、0.5倍速、太陽、月、南半球
搭載荷重:最大2kg(雲台が貧弱そうなので…実質1kgちょっとかな!?)
撮影用途:星景写真
※持っていないため推測値
100万円の赤道儀まで取り扱う、天文メーカー名門出身のポータブル赤道儀です。サイズ、重さから察するに携帯性がすばらしく、特にコンパスと高度計が本体標準装備なので北半球はもちろんのこと、南半球でも設置が容易な事からポータブル赤道儀の決定版だと思います。極軸望遠鏡もオプションで付けられますが、この赤道儀のコンセプトから外れるので必要は無いかと思います。面白い機能に月や太陽を追尾するモードがあるあたり…さすがビクセンと言ったところですね。
配線も無く丸みを帯びた白い外見が可愛らしいことから、女性や子供にお勧めできる商品です。ただ標準バッテリーでは駆動時間が短いので、月食等では外部バッテリーが必要だと思われます。高度計にも照明が付いていて暗いところでの操作にも気配りが感じられるとても良い商品だと思います。
■赤道儀の設置
三脚は出来れば一段だけ脚を伸ばすだけにします。撮影スタイルは膝をついて撮影するものと思ってください。
雲台の水平を取ります。ここで素早く精度良く完了させるアイテムにスリックから出ているレベリングという商品があり、私もいつも重宝しています。
三脚に赤道儀を設置し、コンパスで北を探し北極星を探します。ここで新潟精機レベルメーター http://store.shopping.yahoo.co.jp/niigataseiki/506201.htmlを使うことで、あらかじめGoogleマップ等で調べた撮影地の高度に合わせると、北極星の導入がよりスムーズにもし、導入が上手くいかなくても精度よく追尾をしてくれます。
赤道儀に自由雲台を取り付け、カメラも一緒に取り付けます。ここで赤道儀側の雲台を取り外しが出来る機材が最後まで、使い勝手がよい赤道儀と思ってください。
あると便利な商品で、写真にあるCD‐1アングルプレートが赤道儀のバランスを向上させ、倍率4倍クラスの極軸望遠鏡への北極星の導入には微動マウントがあると本当に楽です。商品元ページリンク http://www.eyebell.com/guide.htm
これに近いアイテムでマンフロットからギア付き雲台がありこれも導入時に重宝しそうです。
■最後になりましたが、これらポータブル赤道儀からお勧めの商品を選ぶとしたら何が良いか自分なりに考えました。
これから「本格的に星空撮影」を始めたいなと言う方にお勧めしたいのが…
●ビクセンのポラリエが一番お勧めです。
赤道儀側の雲台が取り外し自由な事と電池駆動で最安値という事が最大のポイント。
赤道儀の購入費用を安くすることで、もし持っていなければAdobeのCS系の画像処理ソフトの購入を強く勧めます。赤道儀を使い普通に撮影しただけでは確実に物足りない星空写真になると思います。シャッター速度300秒のRAWデータ、太陽より遠い距離の星の光を復活させるには画像処理がとても重要だからです。
赤道儀は安く、画像処理ソフトにお金を使うことが美しい星空写真の近道かなと思います。
もし画像処理はしないでありのままの星空と言うことなら、オルゴール赤道儀かポラリエなら高度計が標準装備で導入が簡単なので本当にお勧めします。
この度も最後まで読んで頂きありがとうございます。
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