初の海外編
このシリーズもついに海外講座まで来ちゃいました\(^O^)/
記念すべき第十回にて、あの南米のウユニ塩湖からのレポートとなります。
海外での星空撮影なら、オーストラリアやニュージーランドに行った方が近くて便利で星の位置もベストですが…ウユニ塩湖と言ったらあの天空の鏡。そうあの鏡に映り込む星々を撮影する星景撮影が最大の楽しみです。この日のために、北海道でいろいろと撮影の練習を行いました。GANREFのポートフォリオが夜の星空写真だらけで…ここ一年間は夜行性の撮影スタイルにドップリと浸かっていました。
そろそろ昼の撮影スタイルに戻りたいのですが…例の電動ドリーを購入してしまい今年一年も真っ暗な写真が多くなる長期予報が出ています(^_^;
それより1DXはいつ販売するのでしょう!?
★今回のレポートは、南半球の星空写真とポータブル赤道儀を使った追尾撮影について記載されています。
私も初めて見て撮影した物ばかりで(^_^;星空ソフトを現地に持ち込み何度も確認しながら撮影しました。もし間違いがありましたらご連絡頂ければと思います。
ウユニ塩湖は南米つまり南半球にあります。北半球の日本とは星の配置が全く違います!予備知識無しで訪れると星空迷子になるので事前の確認をお願いします。
↓旅行先の星空を確認するには下記無料ソフトが便利↓
http://www.toxsoft.com/sswpro/lite.html
▲南半球での星空撮影の注意点…。
固定撮影:三脚にカメラを設置して20秒~何百秒と撮影するスタイル。
これに関しては、特に注意することはありません…遠慮なく撮影してください。
追尾撮影:ポータブル赤道儀とうを利用した追尾撮影。
これは、困った問題が発生します。問題点は極軸合わせ。
■南半球で星空撮影をするときに一番困るのがポータブル赤道儀を使った場合、極軸の設定をどこまで追い込むかになります。南半球は北半球にある北極星のような基準星がありません。
写真で見たとおり、天の南極に北極星みたいな星は見当たりません。
ポータブル赤道儀に着いている覗き窓で北極星を導入…という方法は南半球ではできません。一部ポータブル赤道儀…例えばビクセンのポラリエ、TOASTのTOAST-Proには別売りですが北天南天で使える極軸望遠鏡を装着することで、基準星がない南半球でも高精度な極軸合わせが可能となります。
この極軸望遠鏡、実際日本で使っている方なら分かるかと思いますが、北極星を基準に導入するだけでも相当な慣れが必要で、はじめの頃は星空で迷子になる経験をされ方は多いかと思います。南半球では中心に来る基準星は無く、近くの【はちぶんぎ座の台形】と呼ばれる四つの星を基準にして極軸を合わせます。
探し方は、南十字星の縦の線(ガクルックスとアクルックス)の距離の約4倍伸ばした先に南半球の【天の南極】があり、小マゼラン星雲から上り、大マゼラン星雲からスライドしたあたりとなります。
現地で星空を見て思いましたが、ウユニ塩湖で【はちぶんぎ座の台形】を探すのは…周りの星々に埋もれて困難そうです。
そこで今回、方位磁石とレベルメーターという角度を精密に測れるアイテムを持参しました。レベルメーターは「新潟精機」が製造している商品で、これと方位磁石があればかなり精度良く南半球の極軸を設定することができました!
使い方は簡単、方位磁石で南を探しポータブル赤道儀を設置して次にレベルメーターを使います。ウユニ塩湖では緯度が20°なのでその角度になるよう雲台を傾けると極軸の設定が完了します。極軸望遠鏡を使う場合にも始めにこの設定を行うことで、迷うこと無く早く設定できると思います。この設定で、焦点距離80mmシャッター速度30秒でも星が流れずに撮影できました。
■今回の旅行にポータブル赤道儀を二台用意しました。
メイン アイベルCD-1M+
http://www.eyebell.com/guide.htm
サブ オルゴール赤道儀MusicBox・EQⅡ
http://www2u.biglobe.ne.jp/~sky-bird/orugo-ru-p-munt.htm
EQⅡは本体に簡易角度計測がありこういうシーンでは便利!夜露対策のヒーターも持ってきたがその心配はなさそうでした。ただ砂と塩がすごくて…センサーやカメラ、レンズが塩砂っぽくなります。また標高が高く夜の冷え込みも強いことから、星空撮影では冬装備が必要で私は上下の防寒着も日本から持参しています。
天空の鏡が見られるウユニ塩湖は雨期、特に夕方から夜にかけてスコールが来ると思ってください。二日間ある星空撮影の日程で、一日目は最後まで雨と曇りで断念。二日目は二時間車内で粘った末、運良く晴れて撮影。また雲が低く落雷を伴うので、現場に居ると相当怖いです。塩湖に立って撮影していると遠方の雷の影響からか、強い電気を体感する事があるので撮影機材には相当注意してください。
【果てなく続くストーリー】は当初、ポータブル赤道儀を使い撮影にチャレンジする予定でしたが、天候不順とツアーの時間が終わりに近づいていたことから…固定撮影で撮りました。本当は午前4時頃の最高の星空で撮影したかったです。
■ウユニ塩湖で星空撮影を楽しむには、事前に日本の旅行代理店にその旨を伝える必要があります。この時注意が必要ですが、何時からスタートで何時に終わるかが重要です!ここの時間帯のやりとりで私は本当に苦い思いを現地に行ってさせられました。(私は当初午後8時~と、午前1時~の二部構成で依頼し、旅行日程にも明記してあるのに現地ではそれが通じていなく苦い思いをさせられました。)
また星空ツアーに申し込まなくてもウユニ塩湖で撮影する方法もあり、前回のレポートで紹介した塩湖にある二つのホテルを利用する事です。
↓ウユニ塩湖のレポートリンクです↓
http://ganref.jp/m/ari2929/reviews_and_diaries/diary/4225
クリスタル・サマニャは塩湖近くにあるホテル、歩いてアプローチできしかも塩の採掘場があることから周りと比べて標高が若干下がっているため水がたまりやすい状態なので、塩湖に水が無くてもここなら期待できます。実際、私たちはここから撮影することになりました。
もう一つが塩湖中心にある塩のホテル。ここからだとさらに光害の少ない壮大な星空が楽しめると期待できますし、なにより夜~日の出まで好きなだけ撮影を楽しめるのが最大のメリットだと思います。ただ塩湖の水位の影響を強く受けるので、水量が多い2月が一番楽しめる確率が高いと思います。
■ 南半球の星空を見てみましょう。
ホテル前から…午前三時まで撮影を粘りましたが終日薄曇りの状態…画像処理で追い込んでもここまでしか写せませんでした。私が外でゴタゴタとしているお陰で、ホテルスタッフは殆ど睡眠ができなかったらしく…翌朝少し機嫌が悪かったです(^_^;
日本で見られるさそり座周辺の天の川から南半球でしか見られない、南十字星、コールサック袋、エータカリーナ、偽南十字星、大マゼラン星雲から地平線付近に薄く小マゼラン星雲まで写っています。
南十字と石炭袋、エータカリーナの拡大モザイク写真。
酸素が薄いせいか…間違ってレンズ絞りを開放で撮影(>_<)周辺域の描写がボロボロになりました…。
【銀河を旅しよう】
新しいノイズ処理を試してみました。
ISO6400ですが、等倍確認してもその荒さは目立たないかなと思います。
もちろん一枚撮影です。
■南半球での星空撮影は…人生初めてのチャレンジだったのでそれはもう…感動の連続でした。特に感動したのがあの大マゼラン星雲の大きさ!言葉でいろいろ表現できますが、北半球の星座しか見てこなかった自分にはあの肉眼で見る大マゼラン星雲の迫力に、圧倒されました…。
ウユニ塩湖までは国際線での移動となるので、一人スーツケース二個まで無料で委託荷物として飛行機に持ち込めます。道中専用車での移動となり、荷物はそれほど邪魔にはなりません。
三脚3台、デジタル一眼レフ2台、レンズ5本、ポータブル赤道儀2台…その他諸々、余裕で日本から持ち運ぶことができます。今度行くときにはスカイメモRを持ち込みたいですね!いや…今度はオーストラリア方面が良いかな。その前にアラスカでオーロラと星のコラボも撮りたいし…サハラ砂漠からの星景写真もよいかも(*^_^*)…イメージがドンドン湧いて出てきます♪
途中でいろいろと脱線しましたが…もし南半球でポータブル赤道儀を使う方は方位磁石と角度計測のレベルメーターをおすすめします。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
ご不明な点や間違い等、遠慮なくコメントください。
※次回は、ボリビア~ブエノスアイレスの撮影記となります。
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