星の色はシャッター速度で変わる
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
すっかりというか…長らくご無沙汰しておりました星空教室の最新号を掲載させて頂きます。
今では、まだ小さな小さな娘の写真ばかり撮って(^^…いやいや子育てが大変でして星空そっちのけの今日この頃。そこへ偶然拝見させて頂いた、hide-photoさんの撮影記「星の色をデジタルで出すための試行 〜序章〜」にとても感銘を受けました。
↓「星の色をデジタルで出すための試行 〜序章〜」のリンク
http://ganref.jp/m/hide-skyphoto/reviews_and_diaries/diary/7178
私もいろいろな星空写真を撮ってきましたが…それほど「星の色」には興味が無く、特に撮影時も意識はせずに撮ってきた経緯からか、とても新鮮な感動を覚えました。
なので、今回の撮影記のタイトルは星空教室としていますが、私の中ではhide-photoさんが書かれた内容を元にした追記をイメージしており、実際に私が撮影した画像を元に比較検証の材料になればなと思います。
■早速ですが、車で10分ほどの農道から撮影した星空写真でどれが星の色が最もよく表現できたのかを検証してみます。
途中、車のヘッドライトが照らされる中での撮影という訳あり条件での比較となることを先にお詫び申し上げます。
撮影に使ったカメラ、撮影設定は下記の通りとなります。
EOSKissX6i EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM
ISO800 F6.3 JPG出し ピクチャースタイル ニュートラル
6秒:約5分 30秒:約5分 バルブ:約4分※途中バッテリー切れ(^_^;
EOS1DX EF24-70mm F2.8L II USM
ISO800 F6.3 JPG出し ピクチャースタイル ニュートラル
6秒:約5分 30秒:約5分 バルブ:約5分
●検証結果ですが、予想通りの結果が出ました。
最も星の色、輝き、雰囲気などが表現できていた撮影方法は【バルブ撮影】でした。
次に良かったのが、30秒撮影の比較明コンポジット、最後に6秒コンポジットでした。
EOSKissX6iもEOS1DXもやはり、6秒を越えた当たりからシャッターのタイムラグが発生するのでどうしても星と星との間に隙間が発生するのが気になります。
ただ、この設定だと少し星の色が飽和しているので実際の撮影ではISO200か400、F8がより実践的です。
↓参考画像はこちらです。
※フルサイズ機の1DXでも同じ結果なのでその参考画像は省かせて頂きます。
この結果を基にしたら、星の色を出すのに最も適した撮影方法はバルブ撮影なので、その設定で撮影するのが最も理想だと思います。
たとえばISO100、F8、60分ないしは30分のカメラ設定で撮るバルブ撮影は理想的な星空写真が撮られると思います。
ただ、どうしてもそういう設定で撮ることが出来ないシーンがあるかなと思います。
その場合は30秒での比較明コンポジットが適していると思いますが、参考画像の通り星と星との光跡にどうしても隙間が発生します。
隙間を補正する解決方法の一つに、画像処理があります。
ステライメージを使っての加算平均+比較明、ガウスぼかしなどなど、人によってやり方が色々あると思いますし、私も過去の撮影記で紹介しています。
■今回は新しい画像処理の方法で星の隙間を補正していきます。
使用ソフトはAdobePhotoshop系
1. 「ぼかし シェイブ」を使って星の隙間を補正する。
24mmより広角レンズで撮影した星空写真において、星の光跡の動く範囲が全体的に大きく異なります。そういった場合にはアバウトに星にはぶれてくれた方が結果として良好になります。また自分でブレのテーマを制作するとさらに好みの補正が可能だと思います。
↓参考画像↓
※真ん中の30秒光跡だけに処理をしています。
2.「ぼかし 移動」を使って星の隙間を補正する。
24mm~の広角から望遠までの画角で撮影した写真の補正に向いています。
この場合、星の動く方向がほぼ一定になるので、移動させたい方向へ角度を調節するだけでとても精度良く星の隙間を補正できます。
↓参考画像↓
※真ん中の30秒光跡だけに処理をしています。
●さらにぼかし処理の後にエッジの強調処理を加えると、より力強い星の輝き「バルブ撮影」で得られるような輝きも再現可能かなと思います。
※真ん中の30秒光跡だけに処理をしています。
最後に、ここからは私個人的な考えですが星の色などこだわって撮影する場合、最終的にはどの撮影方法でも色の再現は可能だと思います。
意外と見落としがちなのが、夜空の天候状態です。星屋が見る夜空の晴天具合とそうでない方がみる夜空の晴れ具合では、根本的な違いを感じます。
そこの所も、星の色が出ないという原因の一つではと思います。
また、画像処理だとどうしても専用ソフトや知識が必要となりハードルも一気に上がりますので、比較的楽に星の色を出しながら輝かせる方法の一つに、下記の撮影設定があります。
シャッター速度6秒 ISO400以下、F8前後での比較明コンポジット。
この時のレンズのピントは微妙に外しておきます。
そうすることで、星の像が自然と太くなり6秒でも大きな星の光跡が描けます。
星だけの写真を先にコンポジットして彩度を強く強調させた後に、
夜明けもしくは夕暮れの同じ場所からの風景を一枚、比較明コンポジットさせてやると簡単に下の参考画像みたいな写真が完成します。
これだと、フリーソフトの比較明コンポジットソフトだけが必要で高い画像処理ソフト代も必要ないし、比較明コンポジットの延長なのでハードルも高くはありません。
↓比較明コンポジットでつくる星空写真のより詳しい案内はこちらです。
この度も最後まで読んで頂きありがとうございます。
いや~話変わりますが突き指した中指が痛くて(^_^;
誤字脱字が多いかと思いますが、さり気なく突っ込んでやって下さい(^^
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